今月は、自立支援介護の基本ケア4要素(水分の摂取、栄養のある食事、適度な運動、トイレでの排泄)より、『水分』に関する取り組みをお伝えします。
人間の体内における水分量の割合は成人で体重の60%、高齢者は50%というデータがあり、体重50㎏の高齢者であれば、半分の25kg=25ℓ=25,000ccが水分です。「水は生命の源」と言われますが、体内の水分量が僅か1~2%不足しただけでも、頭がぼんやりとしてきます。更に脱水状態が続くと、熱が出て幻覚が見え、やがて命にも関わります。身近なところでは、熱中症も脱水が引き起こすものとされています。
この数値を先ほどの体重50㎏の方に合わせて考えてみると、25ℓ=25,000ccの1~2%となれば、たったの250~500ccであり、コップ1杯分ほどです。つまり、気付かぬうちに脱水を引き起こしていることもあるため、高齢者は特に注意が必要です。
そこで、当施設では、理論に基づき、1日1,500cc以上の水分摂取という目標を定め、利用者の皆さんにしっかりと水分を摂取していただくよう取り組んでいます。その結果、取り組み前と比べ、毎日のように続いていた発熱や幻覚が無くなり、元気になった方が沢山いらっしゃいます。ただし、このように「水を飲みましょう」とお伝えすると「トイレが近くなる」と心配される方が、いらっしゃいますが、実は水を飲むことによって、逆に失禁が減るというデータもありますので、ご安心ください。尚、尿失禁への取り組みに関しては、後日ご紹介致します。是非、「水分の大切さ」を考え、それぞれの生活に役立てていただければ幸いです。
次月は『栄養』に関する情報をお届けいたします。
10月 | 自立支援介護とは何か? |
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11月 | 基本ケア①水分 |
12月 | 基本ケア②栄養 |
1月 | 基本ケア③排便 |
2月 | 基本ケア④運動 |
3月 | 基本ケア⑤まとめ |